不安にすら気づけなかった“新人期”
支援の仕事に就いたばかりの頃。
私は「不安」という感情すら、あまり自覚せずに働いていました。
怖いもの知らずと言えば聞こえはいいですが、
実際は“何が分かっていないのかすら分からない”状態だったのだと思います。
振り返れば、体力的なキツさよりも、人間関係やミスに対する自信のなさの方がこたえていました。
それでも、仕事を辞めるという発想はどこか遠くにあって、
「とにかく今日を乗り切る」ことだけを考えていた毎日でした。
意味が見えてきた“転機”
そんな私にも、「あ、これって大事なことなんじゃないか?」と感じる瞬間が訪れました。
それは、ある利用者さんとの関わりの中で、自分がした声かけや関わりによって、相手の反応が変わったと実感したときでした。
何気なく過ごしていた日々の中に、「支援」という意味があるんだと思えた出来事でした。
この経験をきっかけに、相手の表情や行動をよく見るようになり、自分の関わり方を振り返る意識が芽生えました。
はじめはただ働いていただけの毎日が、少しずつ「相手のために何ができるか」を考える時間に変わっていったのです。
“やりがい”より先にあったのは“不安定さ”
この仕事を始めたばかりの頃、「やりがい」なんて感じる余裕はまったくありませんでした。
不安や緊張にすら気づかないほど、目の前のことで精一杯。ある意味、“怖いもの知らず”のような状態でした。
でもその実態は、不安定さのかたまりだったのだと、今なら分かります。
先輩に聞かれたことにうまく答えられず、自分の感覚が正しいのか不安でいっぱいになる。
支援の正解がわからず、ただ無難にこなすことばかり考えていた時期でした。
それでも少しずつ、自分なりに気づいたことを言語化していく中で、ようやく「自分にもできることがあるかもしれない」と感じられるようになっていきました。
“できない”がバレるのが怖かった。でも…
仕事を始めた頃、一番怖かったのは「できない自分」がバレることでした。
本当は分かっていないこと、覚えきれていない手順、聞き直すことすら怖くて、ただ頷いてごまかしてしまう。
でもその結果、現場で失敗することのほうがよっぽど怖いと、ある時気づいたんです。(当たり前ですが!)
それからは、「わからないことを聞く勇気」が少しずつ持てるようになっていきました。
誰かの命や安全に関わる現場だからこそ、素直になることのほうが大切だと学べた出来事でした。
子育て経験や性格も“適性”になる
「福祉の仕事は特別な人がやるもの」と思われがちですが、実はそうでもありません。
たとえば子育ての経験がある方は、人の行動を観察したり、言葉にならない気持ちをくみ取ったりする力を自然と身につけています。
また、気が長い・慎重・マイペースといった性格も、知的障害のある方との関わりでは大きな強みになります。
資格や経験がなくても、あなた自身の中にある“らしさ”が活かせるのが、障害福祉の仕事の奥深さです。
まとめ:「できないかも」より「続けたいかも」が大事
未経験で入った頃の私は、正直、不安にも気づけないほど余裕がありませんでした。
それでも利用者との関わりを続ける中で、「できない自分」を受け入れながら、「知りたい」「関わりたい」という気持ちが私を支えてくれました。
うまくいかないことは当たり前。
それでも「関わりたい」という気持ちがあるなら、障害福祉はきっと向いていると思います。
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