利用者って呼び方、正しいの?
障害福祉の現場で、“利用者さんの呼び方”に迷ったことはありませんか?
「“利用者”という言葉に、どこか距離や違和感を覚えたことはありませんか?」
制度上は「利用者」で合っています。でも現場では、相手との関係や場面で呼び方が揺れる瞬間、ありませんか?
「今日は落ち着いてるね、〇〇さん」「〇〇ちゃん、こっち行こうか」――つい相性や距離感で言い分けてしまう。そんな時、少し距離を感じたり、迷ってモヤっとすることも。
大切なのは言葉そのものより、どう伝わるか・どんな関係をつくりたいか。状況に合わせて“選べる”ことを、支援者の土台にしていきます。
呼び方ひとつで、人との距離が変わる
前の章でふれたように、「どう呼ぶか」は人との関係に影響します。
「〇〇さん」と呼べば丁寧で距離を保ちやすく、「〇〇ちゃん」なら親しみやすくなる。
逆に、名前だけや呼び捨てでは冷たく感じられることもあります。
福祉の現場では「さん付け」が基本とされることが多いですが、それが唯一の正解ではありません。
施設や事業所によっては、あえて「ご本人」「仲間」といった呼び方を使うこともあります。
大切なのは、“どう呼ぶか”よりも“どう関わるか”。
呼び方は関係性の一部であり、相手が安心できる形を一緒に探していくことが信頼関係の第一歩です。
私が悩んだ「呼び方」と、利用者とのやりとり
はじめて軽度の発達特性がある方を担当したとき、本人から「他の支援者から聞いてないの? 〇〇ちゃんって呼んでよ」と言われました。
正直、私は「さん付け」が原則の現場で育っています。だから戸惑いましたし、ルールを破るような罪悪感もありました。
そこで背景を一緒に確認。本人にとって“ちゃん付け”は親しさのサインで、安心して動きやすくなる合図だと分かりました。チームとも相談し、
- 書類・公式場面は「さん付け」
- 現場での声かけは本人が落ち着ける呼び方(状況で使い分け)
と合意。すると関わりやすさが上がり、やりとりがスムーズに。ほっとしたのを覚えています。
この体験で学んだのは、呼び方は一律のマナーではなく、相手の尊厳と個別性に応じて“関係を進めるための道具”になるということ。安全性とチームの一貫性を担保しつつ、本人と合意して“選んでいく”姿勢が大事でした。
呼び方は、“関係性”の中でつくるもの
呼び方にはルールもありますが、そこに込められる想いは一人ひとり違います。
背景や性格、これまでの関わりの積み重ねによって、「どんなふうに呼ばれたいか」は変わっていきます。
「呼び方=マナー」ではなく、「呼び方=関係づくりの過程」。
支援者と本人、双方の気持ちが交わる場所を少しずつ探していくことで、関係は育っていきます。
言葉の選び方は、支援観を映す鏡
「利用者」という言葉も、「○○さん」「○○ちゃん」という呼び方も、それ自体に正解・不正解はありません。
大切なのは、呼び方を通して相手との距離感や信頼関係をどう築いていくかです。
私自身、さまざまな方との関わりの中で、“呼び方はマニュアルではなく、関係性の中で育つもの”だと学びました。
そして、その経験は今も支援観の土台になっています。
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