仕事できないと悪口を言われた…でも辞めずに続けられた理由｜障害福祉の現場から

仕事ができないと思われたら、悪口は避けられない？

介護・福祉の現場で働いていると、「仕事ができない」という評価や、陰で言われる悪口や小言に悩むことは少なくありません。

特に支援経験が浅かった頃の私は、「なんで何回言ってもわからないの！」「これはA評価じゃないよね」など、上司や先輩からの一言に傷ついたことが何度もあります。

でも今思うのは、「悪口＝悪意」ではないケースもあるということ。

すれ違いや誤解、職場の伝え方の問題で起きることも多く、「私のすべてが否定されたわけではない」と整理できるようになってきました。

それでも、心に刺さった言葉って、忘れられないんですよね。

この記事では、私が実際に言われたこと、感じたことを紹介しながら、「辞めたい」と思いながらも続けられた理由を一緒に考えていけたらと思います。

今でも忘れない言葉たち｜小さな一言が心を締めつけた

福祉の現場では、誰かのちょっとした言葉がずっと心に残ることがあります。

それが建設的な指摘なら受け止めやすいのですが、タイミングや言い方次第で、「悪口」として深く刺さってしまうこともあるのです。

たとえば、新人時代に司会進行をしていたとき、私は「○○を始めたいと思います」と話し出しました。すると、ある上司が小声で「始めるんじゃなくて、始めたいと思ってるんだよ」と嫌味のような一言。

小さな声だったからこそ、深く頭に刺さった。正面から怒られた方がマシ、と思ったこともありました。

また、何かを失敗すると「私はちゃんと教えたけど？」と必ず言われました。

伝えた側に責任はないという空気。でも本来は、伝わるまで支えるのが支援チームの姿勢だと思うのです。

さらに面談で「この評価は責任者クラスじゃないとつけられない」と自己評価を否定されたこともあります。

自分なりの成長を感じていたからこそ、その言葉は大きなショックでした。

どの言葉も、今なら少し違う角度で捉えられるようになりました。

でも当時は、「私なんていない方がいいのかな」と本気で悩んだこともありました。

辞めたい。でも、辞めなかった｜踏みとどまれた理由

福祉の仕事をしていると、ふとした言葉や人間関係で「もう辞めようかな」と思う瞬間があります。

自分の力不足を感じたり、評価されないことが続くと、気持ちはどんどん沈んでいく。

でも、私は辞めることを考えたからこそ、続けられたのだと思います。

「いつでも辞めてもいい」と思えたとき、逆に肩の力が抜けました。

辞める自由がある＝今の環境にしがみつかなくていい。そう思うと、目の前のことに集中できるようになったのです。

そして何より、現場の利用者さんとの関係が支えでした。

たとえば、自分の声かけで表情が変わったり、安心した様子が見られた瞬間。

「こんな自分でも、誰かの暮らしの役に立ててるのかもしれない」

そう感じられる日が少しずつ増えていったのです。

もちろん、環境が辛ければ転職も選択肢。

でも私は、「辞めたい」と思った経験を支援者としての原点にして今も働いています。

今、悩んでいるあなたへ

もしあなたが「仕事ができない」と思い込んでいたり、
誰かの言葉に傷ついて「辞めたい」と感じていたとしたら、まず伝えたいです。

あなたがダメなわけじゃない。

仕事や職場との相性、人間関係、教え方の違い。
あなたの価値を正しく見てくれていないだけかもしれません。

私もかつては、悪口や嫌味に傷つきながら、それでも少しずつ仕事を覚えてきました。
「できない」から始まったけれど、支援のなかで信頼を築ける日が来ました。

それでも今の職場で限界を感じるなら、環境を変える選択も悪くありません。
私自身も、転職という手段を知っていたから、今の職場で踏ん張れたところもあります。

辞めてもいい。でも、続けてもいい。
福祉の仕事は、完璧じゃなくても「一緒に悩める人」が求められる仕事です。

この記事が、少しでもあなたの心の荷物を軽くできていたら嬉しいです。